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  JPDA権利保護委員会
Vol.9「創作~製品化の経過と権利の発生」 2010年3月24日 委員長 丸山和子
担当理事 時田秀久

  情報発信はVol.7に続いて内部勉強会からの報告です。
デザイン制作時に発生する様々な権利と、その実施の関係・抵触の危険性について、今回は業務の流れに沿ってまとめてみました。
 


活動報告
  西日本「第6回勉強会VISION」“デザイン保護の勉強会” に開催に協力して


講師: 特許庁審査業務部意匠課・課長 川崎芳孝氏
内容: デザインの保護 / 意匠権と著作権 他
2010年3月12日(金)
会場: 大阪市西区南堀江 DNP大日本印刷 会議室
意匠法を取り巻く法律の位置関係を図解しての解説、意匠法と著作法の目的の違いから来る性格の違いと権利の比較を基本の講義とし実際の判例の紹介と読み解きがなされました。
さらに、デザインをめぐる国内紛争の事例、製品デザインの保護戦略として部分意匠と関連意匠の具体例をあげた解説、特許権と意匠権・商標権と意匠権のコラボレーション戦略等々、パッケージデザインに内容の的を合わせての密度の濃い勉強会になりました。

(撮影:JPDA権利保護委員会)

当日の開催までご尽力くださった藤井担当理事はじめ、西日本委員会の皆様との交流も出来ましたことは、権利保護委員会にとって大きな収穫でした。このような形での活動が今後も展開して行ければと思います。連携いただいた委員に感想をお願いしました。

 
「大阪 デザイン保護の説明会」の感想

三原美奈子 (西日本合同委員会 ビジョン担当委員長)

昨年2度に渡る知的財産の勉強会、そして今回の意匠権勉強会で、パッケージデザインが創作物であるにもかかわらず明確な保護の基準が無いという現状に改めて危機感を感じました。
このような不安定な状態のまま仕事を続けていくことは、デザイナー自身の価値を下げ、生きる道さえ失いかねないのではと思います。
しかし不況が長びいたり、デザイン保護の意識が根付いていない地域では、保護を願うことでデザイナーが仕事がしづらくなる現状もあり、難しいところです。
こういった取り組みは個人の力では絶対に無理です。
ぜひ業界全体で、できれば教育機関なども巻き込み、意識向上を目指して行くべきだと思いました。
余談ですが、今回特許庁の方にお話いただけたことで、審査する側の思いを直接聞くことができ、そこに人間味や体温を感じることができました。
「こういう方々が審査しておられるんだ」と実感し、申請が少し身近になったような気がします。

秦智子 (西日本合同委員会 ビジョン会計)

「デザイン保護の説明会」に参加して
今まで西日本で著作権、商標権の勉強会に参加しましたが、今回の意匠権をもって一通りデザインに関しての知的財産権の勉強会に参加することができました。これらを通し感じたことは、よりどころにしていた著作権のなんと頼りないことか、ということです。そして意匠権のハードルの高さ。意匠権を侵害した場合デザイナーが知らなかったでは済まされない、と今回講師の先生も言われていましたが、日々のデザイン業務の中でどこまで意匠権に関われるのか。その分デザイン料上げさせて下さいって、まず無理だろうし…。でもそんなことは関係ないですよね。もっと勉強しなくてはと痛感しました。
勉強会の次の日、いっしょに参加したデザイナーが別のデザイナーに一生懸命レクチャーしていたのが印象的でした。

★会場での質問で「工業権とは?」に対して質問者に確認しての「工業所有権とは?」の解説を川崎課長から頂きましたので補足回答として掲載します。

「工業所有権とは?」
工業所有権は工業分野における権利のみを指すものではなく、産業全体に保護範囲が及ぶため、名称が実態に相応しいようにと、2002年7月3日に策定された知的財産戦略大綱においてパリ条約の従来の訳語「工業所有権」が「産業財産権」と改められた。
対応して、法律の総称も、「工業所有権法」から「産業財産権法」と改めることとされた。
しかし、これらは法令や団体の固有名称等に対しては直ちには適用されておらず、現在でも、工業所有権という語が残った法律や団体が存在します。

特許庁のHPでは、以下のように「産業財産権(工業所有権)」と記載されています。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_gaiyou/chizai01.htm
 


情報発信
 

勉強会レポートno.2「創作~製品化の経過と権利」


(イラスト作成:委員/徳岡 健)


■次に、チャート図に示した経過を創作内容と権利の保護種別で見直してみました■

デザイン依頼・オリエンテーション

アイデア・コンセプトの提示、商品企画

*調査*
基本設計に入る前に関連する諸知財権の侵害の可能性の有無の調査が必要になります。
【商標権・著作権・特許権・実用新案権等】
*創作物の取り扱い(企画書・商品基礎設計・ネーミング)について*
【商標権・著作権・特許権・実用新案権】

プレゼンテーションの段階で提示した創作物は、デザイン業務の依受託の関係に有る両者間で、その創作物の所属の取り扱いを協議することが後のトラブル回避に有効です。

コンストラクションデザイン

【意匠権(スタイリング)・特許権(機能)・実用新案権(機能)・不正競争防止法】 

グラフィックデザイン

【商標権(図形・立体)・意匠権・著作権(書・イラスト・写真・地紋・キャラクター・フリー素材等)・肖像権(パブリシティ権)・不正競争防止法】

SPツール作成・CP 

【商標権(図形・立体)・意匠権・特許権・実用新案権・著作権(書・イラスト・写真・地紋・キャラクター・フリー素材等、又、目的外使用等も)・肖像権(パブリシティ権)・不正競争防止法】

成果物

*各種知財権の帰属の取り決め*

納品


■権利が生まれるタイミング■


創作物が具体的なデザインとして製品化されていく各段階で個々の構成要素は、知的財産権「著作権と産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)」で、保護の対象となり得ます。
更に、不正競争防止法の保護制度や肖像権・景品表示法・その他、半導体集積回路配置図に関するもの等の関連法があります。

保護の対象とされるのは、具体的な創作物となった時点からです。
保護される立場と反対に、規制を受ける側になった場合には創作者(デザイナー)は大きな責任を問われる事になります。他者の権利に抵触しないように、充分な注意が必要です。


諸権利の発生に関して重要な点は、著作権は自然発生し、産業財産権は登録申請して初めて生まれるところにあります。
しかし、創作者には「登録を受ける権利」が自然発生し、「登録を受ける権利」は財産権として譲渡の対象になります。「氏名表示権」は「著作者人格権」と同様に創作者に帰属します。

(まとめ、文:丸山和子)

 


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MAIL:info@jpda.or.jp