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  JPDA権利保護委員会
Vol.12「商標はロマンティック」 2010年7月7日 委員長 丸山和子(担当理事)

  デザイン保護活動は、単にデザイナー個人の利益を護るためのものでは無く、デザイン作業を行う現場のデザイナー・ディレクターの知財権に関する知識を高めることが、他人の権利を侵害してしまった結果に起こりうる、知財権訴訟などのトラブルを未然に避けられ、クライアントに多大な損害を与える様な事件を回避できます。この認識は、結果としてオリジナル性のある良質なデザイン創作に繋がります。
知的財産の法的な知識を持つデザイナーは、クライアントにとっても安心して共同作業の出来る相手だと言えると思います。そのためにもいろいろな内容の勉強会をご案内していければと考えております。
今年度第一回目の知的財産に関するセミナーは「商標」を取り上げました。
 


活動報告A
 

第1回 D-8デザイン保護研究会 2010年6月29日(火)18:30〜21:00 於:JIDA事務局
(社)日本デザイン保護協会 日比野専務理事・事務局長がアドバイザーとして出席。

6月29日(火)JIDA事務局で行なわれたD-8デザイン保護研究会に参加しました。
前々から研究会で検討されている「創作証(創作物マーク)」について各団体からどのような物に「創作証」を貼っていくにか具体的な使用例、デザイン案が提案され、活発な議論がなされました。
同じデザインといってもそれぞれの分野によって契約、プレゼンテーション、商品化への流れ、インハウスのデザイナーかフリーランスのデザイナーかなど異なる部分があるようです。これらをまとめ、実際の業務で「創作証」を使用し、普及させていくには多くにの問題を解決しなくてはいけないようです。
この「創作証」がデザイナーの権利を守ることができ、クライアントにとってもメリットがあり、そのデザインを使用する人にとっても有意義なものにするために今後も考えていきたいと思います。

権利保護委員 徳岡 健

 


活動報告B
 

「デザインと商標」セミナー開催

「良いパッケージデザイン成果が信用との評価に結びつくには!との点を商標の面から考えてみる。同時に、商標についての第一歩からを理解する。」ための勉強会を実施しました。講師のご紹介、会場の手配などを(社)発明協会のご協力をいただき開催する事が出来ました。
商標の世界を90分では、とても講義しきれないため、今回は「商標とは何か」を理解しようとの方向で進めました。今後、能條講師のご協力をいただきながら、テーマを絞っての勉強会を継続していきたいと思います。
(セミナー内容のレポートは、今回のページで情報発信として掲載しています。)

 
<撮影:JPDA事務局>
講師:能條佑敬氏 弁理士、大阪工業大学 知的財産部 非常勤講師
略歴:特許庁商標課長、特許庁審判部審判長, (社)発明協会研究所客員研究員等を歴任
日時:6月25日(金)18:00〜20:15
(講演)
(質疑応答とその周辺のお話し)
会費:¥1,500
場所:発明会館内発明クラブ(東京都港区虎ノ門2-9-4)
参加資格:JPDA会員及び一般  定員:40名
主催:(社)日本パッケージデザイン協会権利保護委員会 
協力:(社)発明協会

●募集定員40名 参加申し込み35名、(内、一般6名)
●参加者構成:メーカー5名、コンバータ12名、デザイン事務所(デザイナー)13名、
       パッケージコンサルティング4名、その他(学生)1名

 


情報発信
 

商標はロマンティック 6月25日 商標セミナーレポート

☆内容のまとめ☆

一般的な商標の話とは違った視点でからの内容でした。商標を取り巻く分析に始まり、商標の役割の読み解きを講師自身の言葉によって進められ、「商標って何?」「どのようなもの?」を、曖昧な概念で素通りしてきた私にとっては貴重な2時間でした。
「商標の三機能」や「商い標識の内容のレベルの解説」、「商標を必要とされるであろう該当者数に対して、実際の登録数があまりにも少ない事の意味」等の前段を経て、
商標が使われる社会にテーマが進められて行きました。
以下に、説明の要点を記します。

◆「商標」は取り扱う「商品」や「サービス」を自社のものだとアピールする
目印と言われていますが、単なる目印だけでは無く、社会に存在する意味、背景、「商い」をする人間の思いが込められるべきものと受け止められました。

◆そして、更にその役割は、商品やサービスの品質が優れていれば、社会に歓迎され浸透して行く過程で、他社製品とのより強い区別目印、
品質の保証書と受け止められるようになる事。

◆商標とは、
商いのための標識企業の努力による信用確保を蓄積する役割を果たすものを指す事。

◆信用の蓄積が進むと
信用の循環と拡張が進み、信用蓄積商標は「ブランド」と呼ばれ、それ自身が価値と名声、「顧客吸引力」を保有する「知的財産」となる事。(※設定登録された日から10年間の保護があり、10年毎に何度でも更新可能)

◆商標(ブランド)をターゲットにした買収は、
信用蓄積に要した時間を評価して実行されるとも言える。※企業買収参考例としては【自動車 ボルボを中国企業が1660億円】、【菓子 英キャドバリーを米クラフトが1兆7千億円】があげられる。

◆商標を、(A)単なる標識と理解するよりも、(B)信用蓄積の用具・と理解するとでは、ビジネス展開に差異がでて後者(B)は経営参加型の仕事となる事。

◆『信用蓄積箱』という有効な用具となり得る商標に必要な視点。
製造販売者取引者・需要者社会(信用で取引される安心社会)の3視点。

☆  ☆  ☆

「デザインと商標」の表題のもとで、能條講師の繰り返された指摘は、次のようにまとめらます。

商標を単に「目印」「見分けるための標識」と考えた場合は、商標活動は「標識の選択、調査、出願・登録、更新」の手続き業務に留まるが、商標を商い標識+『信用蓄積箱』と理解すれば、事業全体との関係にまで広がり、事業を様々に発展させていくことができる。
商標を、大きな知的財産として成長させられる可能性がある。

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☆受講しての感想☆

今回のセミナーで、商標に向かい合う事は、コンセプトの整理の点で、製品デザインを進めていく過程と同じものがある事、又、デザインに関わる者として社会に対しての視点を常に持たなくてはならないと改めて意識しました。
製品は利用者とのコミュニケーションが、(原則的には)手に取って触れるという範囲でなされるのに対し、商標は「商い」の全域に対しての責任を背負い、製品の届かない地域にまで「イメージ」という「商品」を普及する力と責任を負うことになります。
しかも過去から未来へと継続する状況に対応する事が必須条件です。

講義を通して、商標を作成する作業は、背負うべきもののリサーチと解析が如何に大切か、それは、テクニック的なものではない、むしろ思想とも言うべきものであり、また、仕事として関わるエレメントの中で、クライアントの姿勢の最も深い部分に接することが出来るという点にも思い至ることが出来ました。

商標は、それ自体は無機的に見えても実はとても大きく変化する能力を内に持っている事。その能力は、人間の営む社会の中で長い歳月の間に、「信用」というかけがえのない価値を実らせ、未来に向かって成長し続けていく旗印となる、エネルギッシュでロマンティックな存在であり、そのポテンシャルを受け留め続けられる力を持った
目印・標識がブランドの確立を助け、今度は、そのブランド力から発散される信用のオーラが商標自身を輝かせることになるのだと、筋道を立てて理解する事が出来ました。

(内容のまとめ・受講の感想/文責:丸山和子)

(※レポートをまとめるにあたって、6月25日の「デザインと商標」セミナー配布テキストを参考にし、内容・言葉の引用をしています。)

 


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