☆内容のまとめ☆
一般的な商標の話とは違った視点でからの内容でした。商標を取り巻く分析に始まり、商標の役割の読み解きを講師自身の言葉によって進められ、「商標って何?」「どのようなもの?」を、曖昧な概念で素通りしてきた私にとっては貴重な2時間でした。
「商標の三機能」や「商い標識の内容のレベルの解説」、「商標を必要とされるであろう該当者数に対して、実際の登録数があまりにも少ない事の意味」等の前段を経て、商標が使われる社会にテーマが進められて行きました。
以下に、説明の要点を記します。
◆「商標」は取り扱う「商品」や「サービス」を自社のものだとアピールする目印と言われていますが、単なる目印だけでは無く、社会に存在する意味、背景、「商い」をする人間の思いが込められるべきものと受け止められました。
◆そして、更にその役割は、商品やサービスの品質が優れていれば、社会に歓迎され浸透して行く過程で、他社製品とのより強い区別目印、品質の保証書と受け止められるようになる事。
◆商標とは、商いのための標識+企業の努力による信用確保を蓄積する役割を果たすものを指す事。
◆信用の蓄積が進むと信用の循環と拡張が進み、信用蓄積商標は「ブランド」と呼ばれ、それ自身が価値と名声、「顧客吸引力」を保有する「知的財産」となる事。(※設定登録された日から10年間の保護があり、10年毎に何度でも更新可能)
◆商標(ブランド)をターゲットにした買収は、信用蓄積に要した時間を評価して実行されるとも言える。※企業買収参考例としては【自動車 ボルボを中国企業が1660億円】、【菓子 英キャドバリーを米クラフトが1兆7千億円】があげられる。
◆商標を、(A)単なる標識と理解するよりも、(B)信用蓄積の用具・と理解するとでは、ビジネス展開に差異がでて後者(B)は経営参加型の仕事となる事。
◆『信用蓄積箱』という有効な用具となり得る商標に必要な視点。
・製造販売者、取引者・需要者、社会(信用で取引される安心社会)の3視点。
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「デザインと商標」の表題のもとで、能條講師の繰り返された指摘は、次のようにまとめらます。
商標を単に「目印」「見分けるための標識」と考えた場合は、商標活動は「標識の選択、調査、出願・登録、更新」の手続き業務に留まるが、商標を商い標識+『信用蓄積箱』と理解すれば、事業全体との関係にまで広がり、事業を様々に発展させていくことができる。
商標を、大きな知的財産として成長させられる可能性がある。 |
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☆受講しての感想☆
今回のセミナーで、商標に向かい合う事は、コンセプトの整理の点で、製品デザインを進めていく過程と同じものがある事、又、デザインに関わる者として社会に対しての視点を常に持たなくてはならないと改めて意識しました。
製品は利用者とのコミュニケーションが、(原則的には)手に取って触れるという範囲でなされるのに対し、商標は「商い」の全域に対しての責任を背負い、製品の届かない地域にまで「イメージ」という「商品」を普及する力と責任を負うことになります。
しかも過去から未来へと継続する状況に対応する事が必須条件です。
講義を通して、商標を作成する作業は、背負うべきもののリサーチと解析が如何に大切か、それは、テクニック的なものではない、むしろ思想とも言うべきものであり、また、仕事として関わるエレメントの中で、クライアントの姿勢の最も深い部分に接することが出来るという点にも思い至ることが出来ました。
商標は、それ自体は無機的に見えても実はとても大きく変化する能力を内に持っている事。その能力は、人間の営む社会の中で長い歳月の間に、「信用」というかけがえのない価値を実らせ、未来に向かって成長し続けていく旗印となる、エネルギッシュでロマンティックな存在であり、そのポテンシャルを受け留め続けられる力を持った目印・標識がブランドの確立を助け、今度は、そのブランド力から発散される信用のオーラが商標自身を輝かせることになるのだと、筋道を立てて理解する事が出来ました。
(内容のまとめ・受講の感想/文責:丸山和子) |