●開講1テーマ:魂の共振―シュウ ウエムラと私 中塚大輔氏
『今日、シュウ
ウエムラというカリスマを中心としたサークルやクラブのようなものが存在し、その人たちは皆「シュウ ウエムラと私」というそれぞれの魂のバイブレーションを持っている』。中塚氏は『シュウ
ウエムラ氏のスピリットを受け止めながら、氏とともに、美容室用化粧品としてスタートして以来20年以上にわたってシュウウエムラを感度の高いブランドに育て上げてきた』という。『顔と化粧品を変えた人としてのシュウ
ウエムラ氏』の斬新で革命的とも言えるコンセプトの紹介を交えながら、パッケージデザインに反映してきた要点の数々が披露された。ちなみにシュウ ウエムラ氏のモットーには『パイオニアとして人のやらないことをやる、ねばり強くやる、夢と理想を絶やさない』。一方でシュウ
ウエムラの精神としては『Bien etre・良き存在』を掲げ『顔を中心に考え過ぎてはいけない。頭からつま先の中で存在…。会社も美しい存在になろうよ』と、最近ではブティックの考え方を取り入れた「プロのアトリエ」を解放したかのような店鋪「アトリエファクトリー」をヴィーナスフォートにオープンして顧客が嬉々として楽しめる場を提供したり、またコミュニティに解放する美しい工場をオープンしたりと『伝統は守るだけでなく打ち破ることで新しい次元に立ち向かっている』など、まさに前衛的なプランニングを展開中とのことであった。
●開講2テーマ:私流デザインプランニング 佐藤卓氏
佐藤氏は代表作の1つであるピュアモルトのデザインを体験しながら『それまでパッケージは箱や入れ物と見たが、パッケージデザインは広告と同様1つのメディアであると気づいた』という。
『商品は人に届かなくてはいけない。テレビのCMを見て目に焼き付く、そして売場で瞬時にわかるとストレスがない』。そのための具体的なパッケージデザインの要点を聞く機会を得た。また、『アイデアが世の中とズレてはいけない』。それには『デザイナーは自分の中に「普通」の基準を持つことを心がけることが大切だ』という。それを持っていてこそ『アイデアが的確であるかどうかという「新しさの距離」が見えてくる』との発言に、会場から「どうすれば自分の中に普通の基準を持てるか教えて欲しい?」との質問がなされ、『それにはまず数多く見ること。普段から引き出しをいっぱい持つこと』など具体的な助言がなされた。

コンビニの棚の隙間は嫌われる。だが効率が良くても人に届かないものはダメだ…。
●開講3テーマ:「いいちこ」の世界 河北秀也氏
河北氏大学2年の時の作品「いちごミルク(サクマキャンディ)」は今も同じデザインで売られていて『現在その会社は当時の20倍になった』という。随所にデザインの効果測定をきちんと踏まえた話が印象的であった。79年に本格的焼酎として発売開始後2年が経ち売れ出した頃『まじめに手伝ってくれと請われて、本格的なマーケティングリサーチを行った』。 『日本にもウィスキー以外にピュアな蒸留酒があるじゃないかという反応が多く、決して泥臭いとは思われていない』という結果を得た。それ以降、コミュニケーション戦略に他社とは異なる手法として、B倍サイズのポスターを展開することで、売上を150倍、日本蒸留酒ランキング1位、そして世界蒸留酒ランキング3位の商品まで育て上げてきた。ポスターの制作にあたっては『日本にはすでに失われてしまった素朴な美しい風景を求めて世界各地を撮影し続けてきた』という。ポスター1枚1枚には30年にわたるいいちこへの慈しみの心が映し込まれている。
その一方で、『日本にはモノづくりの軸となる「文化学」がないと気づき、機関誌いいちこを発行している』という。会場からの質問に対して、プランニングする上での3つのポイントの解説や、いま大変革期を迎えて21世紀に何がはじまるのかなどの興味深い話に触れ、再度の講演を期待したいという幕切れとなった。

問題を解決するには2つの方法がある。一つは問題点そのものを取り除く。もう一つは…。
●開講4テーマ:エンターテイメント・ロボ 「アイボ」芦田理氏
昨年5月11日に発売されたアイボのプロモーションVTRは、わずか3日間に、しかもほとんどアイボそのものの実写映像のみで制作されたという。芦田氏は『いわゆる家電と違ってアイボの出演そのものが、如実にその魅力を伝えることに特徴がある』と感じたそうだ。アイボ・プランニング4つの柱には、「役に立たない物を作れ」に始まり、「仮想から現実へ」など、いわゆる常識?と逆行するような奇想天外な内容にあふれている。また、輸送用カートンボックスのパッケージデザインについては、店頭に並ばないという前提で極力普通のデザインに留めたそうだが、市場の異常なほどのフィーバーぶりに対して、流通途中での失踪を避けるため、さらなる段ボール箱に入れて仮装したという話にも驚かされた。ソニーでは『アイボの数え方を、家電の1台ではなく、また動物の1匹でもなく、1体と呼ぶことに決めた』そうだが、その『アイボのボディ色には、ロボット的であると同時にクールなものとするため、暖かみのあるシルバーを使う』などと ても気を使っているという。
『ロボットエンターテインメントの究極は、アイボを楽しませることで皆が楽しくなるという、癒し型』だそうだ。講演の後半で、黒とシルバーの2体のアイボが登場し、参加者全員がアイボに触れる機会を得た。『アイボとの付き合い方は(ハードとソフトの詳細を)知って楽しく、(そうしたことを一切)知らなくて楽しいこと』。まさに参加者全員がその可愛いしぐさに魅了され虜になった一時であった。 (レポート:JPDAインターネット委員会 村井大三郎)
 
もう可愛くて可愛くて…!
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