《理事報告》
今回のセミナーは「文字を極める」と題し、デザイナーの仕事の中で非常に重要な分野であるロゴタイプやタイポグラフィにフォーカスしたセミナーとした。前回に引き続きマイスターコースである。
講師の一人目はグラフィックデザイナーである平林奈緒美氏で「パッケージとロゴ、そしてロゴのその後のこと。」というタイトルの講義。FSPやIPSAといった資生堂時代の仕事、渡英そして独立後の仕事を通して氏の文字に対する思いや独特の資料収集法などを伺った。
二講義目は、ドイツ ライノタイプ社の小林章氏による「古典的ローマン体のバランスをつかむ」というタイトルでの講義。デザイナーにとって必須でありながら意外に知らなかったり、謝った理解をしていたりする書体のデザインに対する認識を改めて考えさせられる、まさに目から鱗の講義だった。書体の成り立ちを教えるための演習もあり、非常に参考になった。
三講義目は、株式会社サン・アド葛西薫氏による「文字・言葉・物語」というタイトルでの講義。氏の生い立ちからデザインの世界へ入るきっかけの話を始め様々な仕事の事例を通して、「思い出を伝える道具」としての文字やタイポグラフィを知ることができた。
さらに、旧知の仲であった葛西・小林両氏にはトークセッションを行なっていただいた。テーマはお二人が手掛けられたサントリーのロゴづくり。制作の過程や精緻化、それにまつわる裏話まで非常に貴重なお話だった。
今回のセミナーはどの講義もすばらしく大成功だったのではと思う。アンケート結果にもそれが現れている。クオリティーキープのため、受講者を絞ってしまったが(定員は60名)唯一悔やまれる。100名受講させ後ろの席になって、話やスクリーンが遠いといった事態は避けたいので難しい課題である。 |