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Vol.7 ニューヨーク、ニューヨーク

今回は何といっても、この話題しかありません。今年のワールドシリーズはNYメッツとNYヤンキースがそれぞれリーグ優勝を果たし、1956年以来のサブウェイシリーズとなったため、ニューヨーク中が大騒ぎとなりました。ラジオからはフランク・シナトラの「ニューヨーク、ニューヨーク」やら、メッツやヤンキースを応援する替え歌が 一日中流れ、新聞は一面からその話題で、もっと大事なはずの中東情勢や、大統領選挙のニュースなどはそっちのけ。それは大変な盛り上がりでした。

私もベースボールファンなので、ヤンキースがリーグ優勝するまでは何となく落ち着かず、優勝してサブウェイシリーズが決まると、もう気もそぞろでますます仕事が手につきませんでした。私でさえこんな状態だったので、昔からのファンの入れ込みようはそれはそれは大変なもの。私の会社の同僚のジョーは、生まれも育ちもメッツの本拠地シェアスタジアムのあるクイーンズ。生まれてこのかた、メッツ以外のチームなんざ〜目もくれたこともない、お父さんお兄さんと一家揃ってのバリバリのメッツファンです。リーグ優勝の翌朝は、メッツのキャップをかぶって出社。まず自分のデスクの後ろにデイリーニュースの一面を貼り、ヒマさえあればウェブで前日の優勝の瞬間だの、ボビー・バレンタイン監督のインタヴューだのを聞いて、喜びに浸っておりました。何しろ1986年以来の優勝だし、昨年は惜しくも負けましたから気持ちは解ります。私も野茂がいたときは「メッツ勝つといいな」と思っていましたが、デレク・ ジターに惚れてしまって以来、応援するのはヤンキース。

さて待望のサブウェイシリーズが決定すると、私とジョーはとりあえず記念Tシャツ を買いに走りました。しかし皆考えることは同じで、スポーツチェーン店のモデルズは超満員。どのシャツも文字通り飛ぶように売れ、月曜のリーグ優勝直後から売り出 されたメッツのシャツは水曜日には完売。私はラッキーにも、ヤンキースのシャツに紛れ込んでいた最後の一枚を見つけ、レジにもっていったところ、「一体どこにあっ たの?」とお店の人もビックリ。サブウェイシリーズ記念のシャツなどは、並べるそばから売れていくので、最後はラックにも並べず、直接ダンボール箱から販売してい ました。

この時点でヤンキースタジアムでの最初の二戦分のチケットは、既に発売と同時に完売。シェアスタジアムでの三戦目からのチケットは、電話でのみの販売になりました。発売当日、私は友人それにレッドソックスファンの彼女のボーイフレンドまで巻き込み、朝八時から電話し続けましたが全然つながらず、結局夕方五時のニュースで、その日の午後に完売されたことを知りました。 球場に行けないのならスポーツバーに行って、テレビを見ながら騒ぐしかありません。 シリーズ初日、私たちはアッパーイーストサイドにある何件かのバーにいきましたが、 当然ながらここも超満員の大盛況。そのうちの「やや」空いていそうな一軒に無理ヤリ入ると、店内はものすごいハイテンション。「こんなんで乱闘事件にならないのかしら」、と心配になりましたが、どっちが勝っても今年の優勝はニューヨークのもの。 いいところでピアッツァが出れば歓声が上がるし、ジターが打っても大喜び。試合終了後の店内には「ニューヨーク、ニューヨーク」が流れ、まさに「飲めや歌えの大騒ぎ」状態となりました。

「最後までもつれて、七戦までして欲しい」という私たちの願いにもかかわらず、結局強いヤンキースが四勝一敗であっさり優勝してしまったのは、ちょっと残念でした。 メッツファンのジョーは「毎日毎日イライラドキドキの連続で、もう身も心もクタク タ。終わってくれてほっとした。」というほどの疲労困憊ぶりで、さすがにがっかりした様子。私もしばし放心状態でしたが、気を取り直して私たちはまたもや、記念プログラムやらスッテカーやらを買い始めました。しかし前回のモデルズの混雑には心底ウンザリしたので、今回はオンラインで素早くショッピングしました。