Vol.13 ニューヨークミラクル キャンペーン
テロと不況のダブルパンチを受け、すっかり寂しくなってしまったニューヨーク。一時は私のところにだって、年間6組ほどのお客さんが日本から遊びに来ていたというのに?あれから来てくれたのは一人だけ。こんなニューヨークに何とか活気を取り戻そうと、去年の年末は様々な「I LOVE NEW YORKキャンペーン」が、テレビなどで繰り広げられました。
「私たちはこの街が大好きです。ずっと、ずーっとここにいます」と、ニューヨークにある金融や企業のCEOたちが出演したものや、テレビの人気タレントや、スーパーモデルのシンディ・クロフォードが出て、「I LOVE NEW YORK」というものまで、様々。その中で私が一番気に入っていたのは、「ニューヨークミラクル」というキャンペーンでした。
ニューヨークミラクルには
1)サンクスギビングパレード、かぶり物編
2)ニューヨークフィルハーモニー編
3)ブロードウェイ、オーディション編
4)ロックフェラーセンター、スケート編
5)ヤンキーススタジアム、暴走編
6)ダイナー編
という六編があり、ニューヨークを代表する大物有名人を起用しました。
1)は残念ながら私は一度も見るチャンスがありませんでしたが、ロバート・デニーロとビリー・クリスタルがさえないかぶり物をして、毎年恒例のデパートのメイシーズが主催する、サンクスギビングパレードに出演する人に扮したもの。2)もほとんど見れませんでしたが、ヨギ・ベラ( ヤンキースの往年の名プレイヤー)がニューヨークフィルハーモニーの指揮者に扮したもの。3)ではバーバラ・ウォルター(ニューヨークの有名ジャーナリスト)が、ブロードウェイのオーディションを受けるという設定。42NDストリートを歌い踊る?バーバラ・ウォルター。そのヘタクソさ加減に、審査員一同ウンザリ。しかしそんな審査員の冷たい視線等お構い無しに、「キャッツもできますよ。ニャ〜オ」とさらにアピール。いずれも最後に前ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニが出て、「New York miracle, be a part of it (ニューヨークの奇蹟にあなたも参加しましょう)」と言って終ります。
4、5、6は比較的何回か見かけました。4)は、冬はいつもスケートリンクになる、ロックフェラーセンターで、小柄なさえない男がすごい勢いでクルクル回ったりジャンプしたり。シャッとカメラに寄って男の顔がアップになると、何とこれがウッディ・アレン。「ねえ、僕スケートしたの、今日が初めてだなんて信じられる?」と言い残しさらにクルクルと滑り続けるのです。ウッディ・アレンがこんなにスケートが上手いなんて、知らなかった。余談ですが、指揮者の小澤征爾さんもスケートがお上手で、私の友人は彼がこのおなじロックフェラーセンターで、クルクルスピンするのをみかけたそうです。5)は ヤンキーススタジアムのダイヤモンドを、息切れしながら一周する男が一人。走っているとき「どっかで見た顔だな」と思っていると、男はホームベースに滑り込み、砂だらけの顔ををカメラに向ける。男の正体はなんとヘンリー・キッシンジャー。まあよくもこんなことまでやってくれたものです。起き上がって最後に「デレク・ジター(ヤンキースのスーパースター)が、何じゃ〜い」と叫ぶオマケつき。6)はこの中では一番よく見たもの。ある中年の女性がダイナーのテーブルで、ハンバーガーか何かをオーダーします。「ベーコンも添えてネ」というとオーダーをとっていたウェイターが、「オ〜イ、ベーコンを持ってきてくれ」。すると厨房から俳優のケビン・ベーコンが登場。隣に座ったケビン・ベーコンにオバさんは上機嫌で、「これ、テイクアウトにしても、いいかしら〜?」
いずれもテーマは、「何があってもニューヨークはそのスピリットと、ユーモアを失わない」、ということです。それにしてもオン・エアされたのがたしか11月くらいだったから、ものすごい強行スケジュールの撮影だったのでは。ところで皆様おなじみの、I � NYのロゴですが、ミルトン・グレイザーのデザインなんだそうです。ご存じでした?
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