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Vol.21 My first American wedding

長らく婚約中だった同僚のレベッカが、去年の十一月結婚しました。披露宴には会社の人全員が招待され、私はアメリカンウェディングなんて初めてだったので、とっても楽しみにしておりました。何しろ「あなたも来てね」と言われた一昨年の年末、日本から早々フォーマルドレスをスーツケースに詰め込んで来たくらいです。

式の日取りが決まるやいなや、会場探し、招待客のリストアップ、ドレスの手配などに追われ...と、ここまでは日本の結婚式と変わりなかったのですが、彼女にはもう一つクリアしなければならないことがありました。それは「ドレスが綺麗に着れるよう、式までに体重を落とす」というもの。式の準備と供に、彼女のダイエットへの挑戦が始ったのです。レベッカもお相手のアレックスも、共にイタリアンファミリーの出身。毎日の食卓には、ラザニアなどのパスタ類を中心にしたこってり系の物が並び、おまけにピザなどはダブルチーズ(日本の四倍くらいある)が当たり前。当然二人とも太めで、いやこっちにいるから「太め」で許されるんであって、日本の普通体型の人から見たら、かなりの肥満。結局アレックスもレベッカ同様、ダイエットに突入したのです。

今回彼等が採用したのは、数年前から流行りはじめ去年から大流行している「Low Carbohydrate」、日本で言うところの低炭水化物ダイエットです。これはアトキン博士が推賞したこともあり、アトキンダイエットともよばれています。簡単に言えばパン、ご飯、パスタなどの炭水化物をオミットし、代わりに肉、チーズなどの高タンパク質や、魚、野菜(もちろんポテトやコーンはダメ)をたくさん食べるのです。ダイエット初日、レベッカがランチに持って来たのは、厚さ二cmくらいはあるステーキ。「随分とお金のかかるダイエットねー」と皆に呆れられるも、本人は真剣。これをサラダと一緒に食べます。さすがにステーキの日々は経済の面から長くは続かず、その後はグリルドチキンやツナサラダになりました。時々ダイエット用のうす〜いパンに、食後はゼリー。この涙ぐましい努力のおかげで、だんだんスッキリして来たものの、元の骨格がしっかりしているため、それほど痩せたようにも見えないのが残念。しかしそうこうしている間にも時は流れ、披露宴は近づいて来ました。

私が持っている唯一のフォーマルドレスは、十年前妹の結婚式の時作った、オーダーメイドのチャイナドレス。横浜の中華街で、当時もうここくらいしかないという仕立て屋さんで、作ってもらいました。それ以来、「これが入る体型を保つ」というのをモットーに、何とか今日までそれほどデブにならないで来たつもり、だったのに...披露宴のニ週間前、「ちょっと着てみよう」と袖を通したところ、何とこれがキツイのです。別に入らないというほどでもないのですが、胸の下の胃のあたりと、スリットのところがヤバい。きゃー、これじゃ私もダイエット突入?「そんなこといったって、中年過ぎれば体型なんて変わるのよ」と、母には一蹴されてしまいましたが、やはり大ショック。でもニ週間で痩せるなんて無理。しかたないので、一緒に行く周りの皆に前もって、「実は私ドレスがきついんで、そんなに食べられないし、それにもしどっか破けてたら、絶対こっそり教えて」と、頼む始末。

さてウェディングですが、予想通りなかなか楽しいものでした。私は日本でも、披露宴にいったのは数えるほど。妹のが最後でしたが、長々恩師のスピーチがあって、その後詩吟とかを歌ったおじさんがいたっけ。こっちはもっとカジュアルで私達が席についていると、「みんなー、たのしんでるー?」と花嫁がウエディングドレスで、ビールをラッパ飲みしながら登場。そして皆でおめでとうをいったり、ハグしたりキスしたり。その後はダンスが中心で、御馳走が一通り出た後はまず花嫁がお父さんと、花婿がお母さんとダンスし、そして皆フロアにくり出して踊狂います。うちの会社から出席したヤングアメリカン達は、一人はダンスが超下手クソで、泥酔しないと踊れない、もう一人は妊娠中、私は元々踊りまくる方でもなく、しかし何といっても今回はドレスがキツイのでパス。ボーッとフロアを見ていると、うちの社長が一人で踊りまくっているではないですか。ヒッピー世代の彼は、ディスコ全盛時代のニューヨークで遊びまくっていたので、昔の血が騒いだに違いありません。そういえば流れる曲も、懐しのディスコミュージックが多かった。そのうちお開きの時間が近づき、社長も席にもどって来ました。額には汗。「いや〜、こんなに踊ったのは十年ぶりだよ〜」などといいつつ、ナプキンが片付けられてしまっていたため、テーブルクロスで流れる汗を拭っています、オイオイ。

レベッカのダイエットは多少緩くはなったものの、その後まだちゃんと続いています。アレックスの方はとうの昔に放棄してしまったらしい。私もあのドレスがちゃんと着れるように、努力はするつもりですが、アトキンダイエットには今一つ賛成出来ないので、とりあえず腹八分目を目標にします。

(2004年2月)