Vol.27 ブラックフライデー
今日12/22の朝、テレビのニュースを見ていたら、クイーンズにあるメイシーズデパートからの中継で、メイシーズはクリスマス直前の今日と明日、初の24時間営業に突入したらしい。マンハッタン本店までもが、朝6:00から夜中12:00まで営業。は〜、こんな時間に本当にショッピングが必要?しかし必要なんだから開けるんだろうなー。
前にも書きましたが、11月末のサンクスギビングから始まり、クリスマスお正月と続くこのシーズンを、ホリデーシーズンとよびます。サンクスギビングは日本にはありませんが、これは家族そろって御馳走を囲む日。私にとっては、皆そろっていただきますをするこの日が、お正月の気分。クリスマスはもちろんこれもファミリーホリデーで、アメリカ最大のホリデー。お正月はどちらかというと、友人たちとパーティーして騒ぎ、最後はカウントダウンとシャンペントーストで終わり。日本と違って三が日もなく、1/2から仕事始め。だからこちらで言う年末のビッグイベントは、サンクスギビングとクリスマスということになります。そしてこのサンクスギビングの翌日の金曜日を、ここ数年ブラックフライデーと呼び、年末の風物詩となっています。
サンクスギビングというのは、11月の第四木曜と決まってます。この日は朝から七面鳥を焼き、さらにマッシュドポテトやコーンだのパイだの御馳走を作りまくるため、どこの家からもよい匂いが漂っています。そして七面鳥には眠くなる作用があるため、通常3時とか4時に始まるこのディナーの後は、みんなでフットボールを見たり映画を見たりとゴロゴロする。が、経済的なホリデーショッピングを目指す人は、この後最大のミッションが待ち構えています。この翌日の金曜日はホリデーショッピングの初日ということで、大型店はなんと朝6:00にオープン。そしてこの二日間は超お買い得目玉商品があり、それを目指して人々は、朝2:00とか恐ろしい時間に店の前に並び始めるのです。で、この日からクリスマス直前の週末までの売り上げが、一年の4割だか6割だか、詳しい数字は忘れてしまいましたが、とにかくものすごい売り上げになり、お店が黒字になるということで、ブラックフライデーとよばれるのです。また、サンクスギビング明けの月曜は、「サイバーマンデー」とよばれるようになり、この人混みを避けたい人が、オフィスの高速インターネットを使ってオンラインでギフトをオーダーすることから、そう呼ばれるようになりました。とにかくこの時期のアメリカは、ショッピングに次ぐショッピングです。
私の連れ合いはアメリカ人ですが、元々がヨーロッパ系で本人もヨーロッパ暮らしが長かったので、アメリカ人でありながらアメリカをちょっと外から冷静に見ている感があります。だからこのホリデーショッピング騒動も、「マーケティングに踊らされる、馬鹿なアメリカ消費者」とシレッと眺め、さらに元々ショッピングが嫌いなこともあり、外出もしない。私もこういった類いの人ごみが苦手なので、ニュースでこのものすごいショッピングバトルを眺めて過ごします(実際、けが人がでる)。しかしそんな私たちも、今年はこれに参加することになりました。
サンクスギビングの翌朝、彼の弟のガールフレンドが手にしているのは、大型電気店Best Buyの広告。「この二日間の目玉商品のひとつである、19インチのフラットスクリーンテレビをパパに買ってあげたいの、でもパパの家のケーブルのシステムにあうかどうかがよくわからない、だから一緒に行ってちょうだいよ〜」、というわけです。この日弟にたまたま仕事が入ってしまったため、唯一の頼りである彼の顔を下からジト〜と見つめる彼女と、「いいじゃない、行ってあげようよ」という私の一言で、渋々と車を出し郊外のショッピングモールへ。
モールに近づくにつれ、既に道は渋滞で彼はウンザリ。しかしBest Buyに入ると意外と混んでいないため、「ほらそんなひどくないじゃん」とご機嫌を取る私。それもそのはず、本当のショッパーたちはもう一買いもの終えて、家に帰る途中なのです。私たちは完全に出遅れ組のルーザーショッパー。目指すフラットスクリーンを探すと、「もうディスプレイされているものしかありません」という冷たい宣告。ディスプレイ商品ですから、少々傷が...どうしよう、でもパパに傷物なんて…と迷っている横から、「それでいいです」という声がして、最後の商品は他の手に渡っていったのでした。私たちのブラックフライデーは、こうして何も買えずに五分で終了。そして帰り道は家に帰る人がほとんどのため、行きより混んでいた...
しかし消費者もそんなに馬鹿ではありません。ブラックフライデーで煽るスーパーストアに対し、「渋る」という作戦にでたわけです。そんなわけで在庫を抱えたくない店側は、ラストミニッツショッピングと称し、クリスマスの直前にまた長時間店を開け、最後のだめ押し。ショッピングバトルはまだまだ続くのです。今日の夜、恐いもの見たさでメイシーズに行ってみようかなあ。
(2006年12月) |