社団法人日本パッケージデザイン協会   E-mailによるお問い合わせ
  個人情報の取扱いについて
JPDAトッップページへ 著作権およびリンクについて


Vol.34 Welcome to the United States of America ー 前編

私は長い間アメリカにとって、「あまりいて欲しくない外国人」の一人でした。それが今年の四月、アメリカ合衆国からウェルカムレターなる物が来て、「ずっといていい外国人」に昇格。なぜなら、やっとグリーンカードが貰えたからです。

皆さんよく誤解されてますが、グリーンカードというのは「米国における永住の権利」であり、アメリカ国籍ではありません。だから私はまだちゃんとした日本人です。が、「永住権」があるので、米国内のどこに住んでもいいし、自由に働いてもいい。今までは働くにも、雇用者に労働ビザの保証人になってもらい、そのサインが必要だの、職業も「大学の専攻と一致していないとダメ」とか、何から何までがんじがらめでした。なのに今や、職業選択の自由に加え、米国への出入りも自由。入国の時の指紋捺印も、もうしなくてもいいのです。

グリーンカード取得のプロセスは、そう簡単に説明できません。とにかく移民法というのはしょっちゅう変わり、プロセスの仕方も変わる。またその人の学歴とか職種、働いている会社および会社内でのポジションによっても変わってきます。私の場合は、カード所得のために雇った弁護士とのトラブルに加え、あの「9.11テロ」の影響で、18ヶ月で来るはずのグリーンカードに、なんと6年も費やすはめに。これはもう、忍耐、怒り、涙、涙、そしてまた涙の6年間だったのです。

グリーンカードをとる方法は色々ありますが、一般的には雇用主を見つけて、その会社に保証人になってもらってまず労働ビザをとり、その労働ビザで合法的に働きながら、グリーンカードを申請するという方法です。私の周りでは、ほとんど全員がこの方法。そしてカードが来るまでは、給料が安くてもこき使われても、そこの会社の社員でないとならないのです。こういう人たちを、グリーンカード奴隷と呼びます。

私の場合こき使われはしなかったものの、会社の規模がごくごく小さいので、エラい薄給。しかし会社と社長が全面的に協力してくれので、書類関係は全て申請に有利なように書いてくれました。移民関係の書類は、当然内容が複雑になってます。つまり書類作成のため、移民法関係の弁護士が必要になるのです。そしてこの弁護士が、またまた悩みのタネ。料金が高いのは当然、いい人にあたれば楽ですが、変なのにつかまってしまうとグリーンカード地獄を見ます。

私が労働ビザ申請に雇ったのは、友人の紹介の弁護士で、まあまあちゃんと仕事をしてくれる人でした。この人にグリーンカード申請を御願いしてもよかったのですが、日本人を多く扱っている人の方が、何かと便利なのではないかと考えた末、別の知人が使っていたDG氏という弁護士に代えたのが、そもそもの大失敗。このDG氏、何年かニューヨークにいる日本人なら、このイニシャルを見るだけで誰か判ってしまうくらいの有名人。なぜなら顧客との様々なトラブルがある時期ネットに流出し、2ちゃんねるやヤフーの掲示板で、叩かれていたことがあったからなのです。

私が彼と関わってしまったのは、このネット流出騒ぎのちょっと前。彼の無料ビザ相談を受けたところ、「君のケースを是非自分にやらせてほしい」と、向こうから言い出してきたのです。そういってくれるんだったら、そうしましょうと、DG氏と決めたわけです。そして、彼とのトラブルは、比較的早い時期に発生しました。

書類の準備を始めた段階で、私がある簡単な質問を電話でしたところ、DG氏、虫の居所が悪かったのか、突然キレて激怒。顧客の私が質問して、なんで怒られねばならないのか?これに私が逆ギレし、「お客の質問なんだから、あんたは答えるのが当然ではないか」と出したメイルに彼がさらにキレ、「君の弁護士を降りる」という一方的なメイルが来ました。そういわれても私はこの時点で既に、前金2000ドルほどを払い込んでいる。それを「降りる」ってどういうこと?

翌朝出社して、社長に事情を説明した所、「弁護士というのはとにかくプライドが高いので、メイルにたった一行、『ごめんなさい、書類のプロセスはお願いした通りすすめて下さい』ってかいてごらん」とのこと。なぜ私がこいつに謝らなければならないのか、ハラワタ煮えくりかえり憤死寸前でしたが、仕方なくそうしたところ、DG氏は何もなかったように、「じゃ、この前言った資料を送ってくれる?」と返信して来た。「ほら、言った通りだろう?」と社長が言うものの、こんな不埒なヤローにこの先高〜い弁護士料を払い続け、さらにご機嫌を取らないといけないなんて、私にだってプライドはあるぞ!

おまけにDG氏が作成した私の書類、よくよく見てみれば他のお客の書類をコピペしたものだったのです。なぜ判ったかというと、なんと会社名までコピペしてあって、うちの会社名ではない。その上あるページで書いてあることを、別のページで不必要にリピートしてあるという、ド素人かつ日本人の私にでさえ判る大間違いも発見。これが2000ドルなのか?ふざけんな!

その日の夕方、友人から電話があり、彼の会社の顧問弁護士にこのトラブルを相談したら、その弁護士の知り合いの移民弁護士を推薦してくれたとのこと。早速電話して事情を説明すると、そこから先の書類の申請を引き受けてくれることになりました。彼はインド人で、ゴーコル・キーシャンという、アニメキャラクターチックな名前。書類の引き継ぎも全てしてくれたため、DG氏と話す必要もなく縁も切れた。が、この日から六年間、今度はゴーコルとの悪夢の日々が始まるのです。

(2008年9月)