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Vol.40 No 2722 on 9.11
野球やメジャーリーグに興味がない方も、デレク・ジターという名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?ニューヨークヤンキースでショートを守る、松井と同い年のプレイヤーです。
メジャーリーグを代表するスーパースタープレイヤー、スーパーリッチ、スーパーグッドルッキングに加え、ビッグゲームには常に両親を招待する、親孝行息子。インタビューでの真摯な受け答え。離婚だステロイドだと、タブロイド紙を賑わすAロッドとは違う、クリーンなイメージ。ドラフト一位でヤンキースに入団し、ルーキー・オブ・ザ・イヤー、MVP、そして名門ニューヨークヤンキースの、第11代キャプテン。誰もが認める、真のヤンキー。
「何故、こんな人が存在するわけ?」と、あきれるくらい名声テンコ盛りで、非の打ち所もない完璧なスター。ま、本当のところは解らないにしても、私達の前では、私達の期待するデレク・ジターでいてくれる彼は、私が地球上で一番かっこいいと思う男性です。
以前も書いた通り、私はベースボールファンです。シーズン中は、何回か球場にも足を運びます。八年前、あの9.11のテロ前日も、私は野球の試合に行くことになっていました。ヤンキース対レッドソックス戦という好カードで、何ヶ月も前にチケットを取っていたのに、残念ながら大雨で試合は中止。なのに翌朝は前日の雨が嘘のように、すばらしく晴れ渡った空。それを見上げながら、「あー、昨日がこの天気だったらなー」などとお気楽に考えていた一時間後に、すべてが変わってしまったのです。
そんな自分なりのメモリアルということで、毎年九月には必ずヤンキースの試合を見に行きます。今年はちょうど9月11日に試合があることを発見し、「これを逃す手はない」と、シーズン前のチケット発売の時に、既にチケットを買っていたわけですが、これがすばらしいラッキーゲームとなりました。
ヤンキースファームシステムからレギュラー選手になった、ヤンキース一筋のジターが、ルー・ゲーリッグの持つ2721本の球団最多安打記録を、72年ぶりに更新するのは時間の問題でした。今年九月に入って記録達成が秒読みになり、メディアは騒然。
そして私は、なんとまず人にもらった9月9日のチケットで、記録タイになるヒット2721を、そして自分で買った9月11日のチケットで、この記録を破るヒット2722を、ヤンキースタジアムでみることができたのです。これはもう、二回続けて宝くじに当たったようなもの。

9.11の前日のゲームもそうでしたが、私は昔から有名な雨女で、私の行く試合の大半は雨で順延/中止、または遅れて始まります。この試合の日も、残念ながら朝から雨。「今日、試合するのかなあ」と不安げな私にまわりは、「今夜は絶対に、絶対に、中止にはできない。9.11のセレモニーがある上、ジターの記録がかかっているんだから、ヤンキースはプレイしないわけにはいかないよ」
天候不良のときメジャーの試合は、二時間半まで開始延長が許されています。雨女の私は、遅れて9:00から始まった試合を、12:00過ぎてまだ球場でみていたことも、何回かあります。また夜中に野球観戦か?記録は見たいけれど、できれば今日中に終わってほしい...

そして雨で開始が遅れると判っていながら、嬉しくて待ちきれず、試合開始の一時間前に入場してしまった、バカな私。
「早く来ちゃったのに、まだ雨は降ってるし、こうなったらこのスキに、ジターが打つ瞬間を写真にとれる場所を確保しよう!」
ヤンキースタジアムは、シートの中には入れませんが、シートの後ろの通路で立ってみることは許されてます。だからなるだけグラウンドに近づきたいファンは、そこで立ち見をすることになります。ジターは右打ですから、撮るのは当然一塁側特別シート後方。私はベストスポットを求め、一塁側を目指す。が、思いは皆同じで、そこはカメラを抱えた人が集中。
そこで私は「女性で小柄」という自分の特性を生かし、スマイルも駆使して隙間を前進。おまけに東洋人だから、何か言われたら英語がわかんない振りをすればいいんだしと、さらにニコニコと前進。やっと自分の場所を確保して周りを見ると、こんなちっこいデジカメを持っているのは私だけで、他の人は望遠つきのごっついカメラを持っている...な、なんか、私、お呼びじゃないって感じだけれど、でももう後には戻れないし。
待つこと45分、無事試合は始まりました。ジターが打席に入ると、何万というフラッシュが輝き、それだけでも感動的。そして二打席目、待望のヒット。この瞬間、ヤンキースタジアムが揺れるんじゃないかと思うほどの、ファンの大声援と拍手。チームメイトに祝福され、ファンに祝福され、五万人の観衆に手を振るデレク・ジター。鳴り止まない拍手と、なおも光るフラッシュ。

9月11日という、ニューヨークの悲しい日に、素晴らしい記録を作ってみんなをワクワクさせてくれたジター。「ニューヨークで、デレク・ジターでいることほど、楽しいことはない」って、言った人がいますが、それを実感した夜でした。まさに本物のスター!

(2009年11月) |
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