第34回通常総会(2015年)

日時:平成27年5月29日(金)
場所:東京ガーデンパレス
議長:理事長 加藤芳夫氏(第1号・第2号・第3号議案)
司会:松澤由紀子氏(東日本個人会員・凸版印刷株式会社)


■通常総会

15:30 〜 16:45 2F「高千穂(B)」

●第1号議案
平成26年度事業活動実績 報告の件
●第2号議案
平成26年度収支決算報告 承認の件
●第3号議案
平成27年度事業計画(案)及び収支予算(案) 承認の件

2号議案は489名、3号議案は490名の承認を得て、可決されました。なお、1号議案は報告議案でした。
(内訳:出席者開会時41名、2号議案48名、3号議案49名/書面表決状433名/委任状8名)


■記念講演会

17:00 〜 18:30 2F「高千穂(A)」
出席者:130名

講 師:鹿目尚志氏(東日本個人会員)
5月20日に第3回全広連日本宣伝賞・山名賞を受賞
テーマ:「88歳 が な ん ぼ の も ん や ! 〜 鹿目尚志のアッカンベー寿 〜」

パッケージデザイナーとして、アーティストとして半世紀以上の長きにわたり精力的かつ情熱的に活動を続けている鹿目尚志さん。
JPDAにおいても1968年に入会してから現在まで、時には先頭に立ち、時には仲間や後輩を鼓舞しながら常に強力な牽引力で協会を導いてきたリーダーの一人です。

88歳の米寿を迎える2015年、第3回全広連日本宣伝賞(公益社団法人全日本広告連盟)山名賞受賞を機に、60余年のデザイン・アート活動を振り返りつつ、「真のデザインアイデンティティとは」をテーマに講演していただきました。

北海道・根室で育った鹿目さん。
「納沙布岬までは松がチョロチョロあるだけ、だーっと続いている原野です。そこで野イチゴを食べながら小鳥の巣を見つけて遊んでいました」「あの原野は最高の遊び場でした。動物や植物に囲まれていた子ども時代は今も僕の原点です」
今でも絵を描こうとすると浮かんでくるのは、その頃の風景だと言います。

東京美術学校(現東京芸術大学)受験で上京したのは第二次世界大戦が最終局面を迎えようとしていた1945年春のこと。
受験を終えて入った渋谷の映画館で東京大空襲に遭遇、「B29が編隊を組んで何機も飛んでくるなか、道玄坂の防空壕に避難して、ものすごく怖かった」
そして終戦、焼跡の中で学生時代を過ごしました。
卒業後は「働かざるものは喰うべからずという大阪へ行ってみたい」と大阪へ。
そこでデザイナーとして印刷会社やメーカーから依頼を受けて仕事をするようになったそうです。
「あの頃は怖いもの知らずで、なんでもガンガンやりました」「けっこう大阪で面白い仕事をやってはいたんですが、環境を変えようと全部手放して東京に引っ越してきたんです。で、現在に至るわけです」

そこから話は一気に1980年代へ
。1981年にはデザイナー仲間の木村勝氏、秋月繁氏、広橋桂子氏と「4BOX‒ER展」(東京・銀座)を開催しました。
銀座和光が文化事業として提供した広いスペース。
「果たしてあの広いスペースを埋められるのかを考えるとものすごい恐怖感に苛まれました。
会場の広さに打ち勝って存在できるだけの作品を持ち込まなければならない。
自分の全生命を打ち込んだ作品をつくらなければならない。
『おれの作品は果たしてほんとうにこの展覧会に値するだけのものなのだろうか』と思うだけで頭がぼーっとなってしまうほどでした」
そうした体験にこそ展覧会をする意味があると言います。
「ああいう新鮮な驚き、圧倒的な恐怖感を持つことはとても大切だと思います。
自分が裸になって何もかも投げ出し、『なんぼのもんや!』と曝けだす。そういう戦いのなかで自分は生きていくんだというのが展覧会をやる心構えだと思います」

話はデザインの本質へと向かいます。
「パッケージデザインには、その意義が『売れる』ということにすり替わってしまうという怖さがあります。これは本当に怖いことです」
「売れればいいと思っていないか?売れたからと言って満足しきっていないか?クリエイティブを捨ててマーケティングに従属していないか?自分の哲学を失っていないか?自分に問いかけながらデザインに向き合ってほしいと思います」
原点はなにかを常に見つめてほしいというのが願いだと言います。
「クリエイティブとは常に新しいものを生み出すことに挑戦する心です。
ものをつくる心です。皆さんにはぜひ、常に新鮮な心でものを感じて行動するというクリエイティビティを持ってほしいと思います」鹿目さんの熱い心が会場に満ちあふれた1時間半となりました。


■交流会

18:45 〜 20:45 2F「高千穂 (B)」
出席者:110名

挨拶:加藤芳夫理事長
ご来賓祝辞:大迫修三氏((公社)日本グラフィックデザイナー協会 事務局長)
乾杯の音頭:関根正文氏((公社)日本ジュエリーデザイナー協会 副会長)

「年鑑日本のパッケージデザイン」の発刊案内:山崎 茂理事(出版)
「全国会議 in 東大阪 2015」の案内:藤田 隆理事、森 孝幹理事、中森恭平理事(西日本)
中締め:副理事長 伊藤 透氏

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