日時:平成28年5月31日(火)
場所:東京ガーデンパレス
議長:理事長 加藤芳夫氏(第1号・第2号・第3号・第4号・第5号議案)
司会:松澤由紀子氏(凸版印刷株式会社)
■通常総会
15:30 〜 16:45 2F「高千穂(B)」
●第1号議案
平成27年度事業活動実績 報告の件
●第2号議案
平成27年度収支決算報告 承認の件
●第3号議案
平成28年度事業計画(案)及び収支予算(案) 承認の件
●第4号議案
顕彰規定によるJPDAパッケージデザイン功績賞顕彰者 報告の件
●第5号議案
平成28・29年度役員(理事・監事)選任者及び補欠理事選任者 承認の件
(前々回の総会から、選任者個々に採決をとることになりました。)
2号議案と3号議案は462名、5号議案は各選任者への賛成は少ない方で458名、多い方で462名の承認を得て、可決されました。
なお、1号議案と4号議案は報告議案でした。
(内訳:出席者開会時40名、2号・3号・5号議案47名/書面表決状393名/委任状22名)
■臨時理事会
16:20 〜 16:40 3F「桂」
出席理事:23名(欠席:1名)、監事:2名
通常総会終了後、直ちに、総会で承認された新役員が集合し臨時理事会を開催し、山崎事務局長の進行で代表理事(理事長、副理事長)が選定されました。
・代表理事(理事長):加藤芳夫氏
・代表理事(副理事長):田川雅一氏
その後、委員会担当理事の互選を行いました。
結果については、総会議事録と一緒に送付済みの、JPDA28・29年度役員一覧及び事業カレンダーで案内の通りです。
■パッケージデザイン功績賞 顕彰式
17:00 〜 17:15 2F「高千穂(A)」
パッケージデザイン功績賞に、杉浦俊作氏(杉浦デザイン事務所 代表)が選出され(JPDA貢献賞は該当者なし)、賞状とトロフィー、副賞が贈呈されました。
杉浦氏は、大学卒業と同時に資生堂宣伝部に入社以後、パッケージデザイン界を牽引し、そのデザインを通して時代に大きな影響を与え続けてきました。
顕彰式につづいての記念講演会で、ご自身の仕事とパッケージデザインについて語っていただきました。
■記念講演会
17:15 〜 18:40 2F「高千穂(A)」
講師:杉浦俊作氏(杉浦デザイン事務所 代表)
講演タイトル:「私とパッケージデザイン、これまでとこれから」
司会:松澤由紀子氏(凸版印刷株式会社)
出席者:120名
講演の前半は、これまで手掛けてきた作品の紹介と、当時の時代やデザインを巡っての話です。
「入社当時、資生堂では宣伝広告が全盛で、『パッケージなんかデザインじゃない』という時代でした。
若輩ながらも、いずれ『資生堂はパッケージデザインだ』と言われる時代をつくってやろうと心に誓っていました」
男性化粧品のパイオニア的存在の「MG5」ではホイル紙やグラビア印刷を初めてパッケージに採用、PPやシュリンクなど先駆的な加工方法も取り入れる等、技術革新を反映させた作品を誕生させました。
1960年代から70年代にかけては、多種多様な加工や、今では想像できないほど贅沢な印刷をしたものも多々生み出しました。
「1970年代頃は、日本企業全体が世の中に良いものを提供しようと努めていました。
デザインと企業と社会と世の中の人々が良い関係でいられた時代だったのです」
1970年代後半になると、海外のデザイナーとコラボレーションするプロジェクトが始まります。
その最初の仕事がニューヨークのデザインオフィスと組んだ「INOUI」でした。
その後も「タクティクス」、「アウスレーゼ」、「フェミニテ・デュ・ボア」をはじめ、海外デザイナーとのプロジェクトを次々と手掛けました。
手法もプロセスも感性も違う海外のデザイナーとのコラボレーションは苦労も多い反面、大きな力を得た素晴らしい経験だったと振り返ります。
1980年代半ばからは、パッケージだけでなく広告や店頭も含めたプロジェクト全体のディレクションを手掛けるようになりました。
1986年に資生堂が初めて別ブランドとして立ち上げた「IPSA」、その後は新しい感性の化粧品を目指した「AYURA」、グローバルマーケットに向けたブランド「SHISEIDO」などで杉浦さんは総合ディレクターを務めました。
2002年にフリーランスとして杉浦デザインを設立してからは、国内のみならず海外の仕事も手掛け始めました。
中国の大手化粧品メーカーの仕事を通して、中国のエネルギッシュさを感じるといいます。
「10年後にはアジアの化粧品市場を席巻するのではないかと思います」
後半では、デザインに関わる人たちに向けて、熱い思いを伝えます。 自分たちデザイナーはデザインを単なる意匠としてではなく、もっと根本的な問題から考えなければならないのではないかと提起しました。
さらに大事な問題として、「どんなにいいデザインであっても、決める人にデザインセンスがなければそのデザインは世に出ていけません」「日本で優れた経済人が文化的なセンスを持っているか、創造的なものを評価できるかと言えば、残念ながら期待できないのです」「JPDAなどの団体に必要なのは、デザイン的なスキルを上げるだけではなく、これからは決裁権を持つトップに対してデザインというものの価値を伝えるという作業だと思います」
ぜひJPDAにもそういう視点でトップ教育を志してほしい、そうすれば日本のデザインも文化度も上がるだろうと杉浦さんは考えています。単に商品企画を受けてデザインをするのではなく、それ以前のところに問題があることを考えてほしい、できれば会場にいるデザイナーの何人かはデザインマネージメントを勉強して能力を発揮してほしい、そうして結果的にいいデザインを生み出す仕組みを作ってほしいと訴えました。
また、デザインとは、常に先端をつくり、世の中を切り拓いていくべきものであるはずなのに、最近の日本はビジネスもデザインもすべてが内向きに見えると言います。
「若い人にはぜひグローバルな視点を持っていただきたい。これからはますます大きくなるアジアの市場だけを見るのではなく、アジアが有する文化的価値をぜひ見直していただきたいと思います。そこから何かを見つけ出し、新しいクリエイションにつなげてほしい。これが私から新しい人たちへの願いです」
そして、こう付け加えました。「ぜひ夢を持ち、思いを抱いて世界を驚かすようなデザインを日本から発信していただきたい。世界がビックリするようなパッケージデザインをぜひつくっていただきたいと思います」
自身も大いなる夢を抱きつつ、生涯デザインに取り組んでいきたいと講演を結びました。
■交流会
19:00 〜 21:00 2F「高千穂 (B)」
出席者:94名
挨拶と抱負:加藤芳夫理事長
ご来賓挨拶:官浪辰夫氏((一社)日本空間デザイン協会 会長)
乾杯のご発声:池田 毅氏(JPDA監事、アイ工房 代表取締役)
金沢デザイン会議2016の案内:畝野裕司理事、加藤(桑)和美理事(国内交流)
前役員退任挨拶:菊地さん、名久井さん
丸本さん、島崎さんは所用で欠席。
新役員挨拶:加藤理事長、田川副理事長、青木(入江)さん、伊藤さん、井上さん、牛島さん、畝野さん、
梅原さん、江藤さん、小川裕子さん、小川亮さん、加藤憲司さん、加藤(桑)和美さん、
小原さん、竹内さん、中越さん、永島さん、永田さん、中森さん、藤田さん、森さん、
八木さん、山崎さん、監事の時田さん、
理事の信藤さん、監事の池田さんは所用で欠席。
中締め:新副理事長 田川雅一氏