JPDA学生賞2025
「日本パッケージデザイン学生賞2025」受賞者対象企業研修(関東編2日目)
2025年11月28日 JPDA学生コンペ委員会
2025年11月27日(木)、28日(金) 第四回となる学生パッケージデザインアワード【日本パッケージデザイン学生賞2025】を受賞した学生を対象に第四回企業研修を関東で実施しました。 2日目は資生堂クリエイティブ株式会社様、五條製紙 PAPER GALLERY 東京様 にて、ポーラ株式会社様、SAYURI STUDIO, INC様にご協力いただきました。
■資生堂クリエイティブ株式会社様
企業研修レポート:古川真桜(大阪成蹊大学 / JPDA学生賞2025 フジシール財団賞)
資生堂クリエイティブ株式会社様での研修を通じ、貴社の洗練された美意識とクリエイティブ戦略を深く理解いたしました。貴社が創業以来大切にされてきた「アートとサイエンスの融合」という哲学が、デザインプロセス全体に深く根付いていることを肌で感じることができました。
特に、パッケージおよびプロダクトデザイン部門では、製品が消費者の生活に溶け込み、心地よさと驚きを提供するための緻密な工夫を学びました。私たちが日常で手にするパッケージ一つひとつが、素材選定、機能性、触感、そしてブランド表現のすべてにおいて、徹底的な考察を経て生み出されていることに感銘を受けました。
この研修で得た「アートとしての感性」と「サイエンスとしての論理」を融合させる視点を、大学生活での制作活動や、日常における細部にこだわる姿勢として積極的に取り入れ、より質の高い思考と行動を目指します。
企業研修レポート:原樺乃音(安田女子大学 / JPDA学生賞2025 内田喜基賞)
まず施設に入った瞬間、美術館のように空間全体が洗練されていて驚きました。
セミナーでは2年目のデザイナーの方からお話を伺い、消費者との距離が近いジャンルだからこそ、商品発売後の反応がダイレクトに届く点にやりがいを感じているという言葉が印象に残りました。
1番印象に残ったのは大きな水槽や豊かな緑が配置されたフロアで、落ち着いた雰囲気の中でリラックスしながら発想を広げられる空間になっていました。リラックスして制作に向き合える空間が整っていることも、良いデザインにつながるのだと実感しました。
また、フォトスタジオでは撮影された写真を見せていただき、その仕上がりの美しさに驚きました。光の入り方や質感が非常に整っていて実際の目で見る以上の表現がされているように感じるほどで、撮影技術の高さを実感しました。
企業研修レポート:山本彩楓(香川大学 / JPDA学生賞2025 伊東未夢賞)
社内見学で実際に商品を撮影している現場を見せていただきました。私はてっきりグラフィックだけを使って広告ポスターを作っていると思っていました。しかし、装飾を用いて商品一つ一つをカメラで撮影しておりとても驚きました。さらに、実際にプロダクトデザイナーとして働いていらっしゃる方と直接お話しすることができました。そこで、普段のお仕事の様子や私が普段悩んでいるデザインのことについて伺うことができました。なかなか現役のプロダクトデザイナーの方と交流する機会がなかったのでとても嬉しかったです。
この貴重な経験から将来がとても楽しみになっただけでなく、もっと私も頑張らなくてはいけないなと改めて実感することができました。

■ポーラ株式会社様
企業研修レポート:陳 楠楠(専門学校桑沢デザイン研究所 / JPDA学生賞2025 大賞)
先日、ポーラ株式会社様の企業研修に参加し、渡辺有史先生のお話を伺った。先生はまず、パッケージデザインで最も大切なのは「人の心を動かす一点を見つけること」。私にとってそれは、商品の力や気配を丁寧に感じ取り、その本質を理解した上で、もっともその商品らしい要素をひとつ選び出し、パッケージとして形にするというプロセスだと思った。
ポーラ株式会社様のデザインは science / art / love を軸にしており、視覚的な派手さよりも、ボトルの造形や、折る・包むといった「手の動き」を大切にしている。こうした動作が小さな儀式のような体験を生み、人とパッケージの間に“対話”が生まれる。触れることで成立するコミュニケーションの豊かさに、私はとても心を動かされた。
また、渡辺先生は「絵を描くことが好きだった自分が、手仕事そのものを愛するようになった過程」についても話してくださった。おそらく ポーラ株式会社様のものづくりの姿勢が、先生に大きな影響を与えたのだと思う。何度も考え、手を動かし、実際に人の手に渡った瞬間に生まれる力。その“手作りの温度”を大切にする姿勢に、私は深く感動した。
企業研修レポート:厳天媛(専門学校桑沢デザイン研究所 / JPDA学生賞2025 金賞)
渡辺先生は、現在桑沢で受けているパッケージングの授業でも担当していただいており、いつも本当にお世話になっています。今回、先生が紹介してくださったポーラ株式会社様のパッケージ制作の流れを知って、包装の考え方が大きく変わりました。
私はもともと手を動かす作業が好きで、平面だけを相手にするより、素材の質感や温度を自分で触りながら確かめられる方に強く魅力を感じます。ただ、技術が進んだ今の時代に、こうした「手の仕事」がどこまで必要とされるのか、不安に思うこともありました。3Dモデルを作れば画面上で形が見えてしまうし、他の技術に頼れば早く“それらしいもの”ができてしまうからです。
そんな中、ポーラ株式会社様だけでなく資生堂様でも、実際に模型を作り、手で触れながら検証していくプロセスが今も非常に重視されていることを知り、とても印象に残りました。とりわけ、渡辺先生がポーラ株式会社様の包装制作において模型づくりを重んじ、何度も試作を重ねながら理想の形を追求していく姿勢には深く心を動かされました。また、承諾書のサインとロゴを掛け合わせたコンセプトも、発想の強さと説得力があり、とても印象的でした。
この経験のおかげで、包装に対する興味が前よりもずっと強くなりましたし、自分の“手で作る部分”にもっと自信を持っていいのだと思えるようになりました。これからもいろいろな素材や技法に触れながら、自分の好きな領域をしっかり深めていきたいです。
企業研修レポート:松本澪里(多摩美術大学 / JPDA学生賞2025 寿精版印刷賞)
手作りの価値を追求したポーラ株式会社様のデザインからは、機械化が加速する現代だからこそ見えてくる“人の手の力”が感じられました。大量生産が当たり前になった今、あえて手作業にこだわることには、技法以上の意味があると思います。手仕事が生む人の暖かさ、素材感や質感から、機械には再現できない人の優しさが自ずとパッケージに纏っていると感じました。
パッケージは人が必ず触れる存在だからこそ、ノンバーバルで伝えられるパッケージならではの価値があると思います。商品1つでどれだけ商品を語れるかというお話があったように、人の手作業があるからこそ商品から感じられることが多いのではないかとお話を聞いていて感じました。

■SAYURI STUDIO, INC様
企業研修レポート:HUANG wanting(多摩美術大学 / JPDA学生賞2025 福本佐登美賞)
東海林先生の講演では、実際のパッケージデザインの進め方を具体的に知ることができました。特に印象に残ったのは、てんとう虫をモチーフにした香水パッケージです。単なる「かわいい箱」ではなく、形状や開き方、素材の選定、売り場での見せ方、イベントでの展開までが一体的に設計されており、パッケージが「物」ではなく「体験をつくる仕組み」であることを強く感じました。購入の瞬間から開封するまでの一連の行為そのものが、それもパッケージデザインの一部になっていることに気づかされました。また、先生が留学時代の経験や言語の壁について話されたことにも共感しました。私自身も留学生として、言葉や文化の違いをデザインの新しい視点として活かし、現場で生きる表現につなげていきたいと感じました。
企業研修レポート:柴野桃七(専門学校桑沢デザイン研究所 / JPDA学生賞2025 東海林小百合賞 )
ビューティーブランドを中心に、アートディレクター/パッケージ・グラフィックデザイナーとして世界で活躍されている東海林小百合さんにお話を伺いました。
ビザの取得や言語の壁、マイノリティーとして置かれる環境など、海外で働く中で直面したさまざまな苦労や困難について率直に語っていただきました。さらに、話すスピードが遅いと相手に聞いてもらえないこともあったといい、要点をまとめて簡潔に話すなど、どのように伝えれば届くのかを工夫されてきたことにも触れてくださいました。
こうした経験を通じて培われた視点や柔軟さが、現在の表現や仕事の進め方にもつながっていることを感じました。
また、クライアントとの信頼関係の築き方や、正直な対話を大切にする姿勢など、日本と海外のどちらでも共通して重視されている価値観についてのお話も大変印象的でした。
東海林さんのグローバルな活動や考え方に触れることで、世界の広がりや未来への可能性を感じ、視野が広がる時間となりました。
企業研修レポート:横山 咲夏(専門学校桑沢デザイン研究所 / JPDA学生賞2025 佐々木智也賞)
当日は素敵なお話をありがとうございました。海外でのお仕事経験や広告の制作過程などの貴重なお話を伺い、デザインに向き合う姿勢について多くの学びを得ることが出来ました。また、「DOT MARC JACOBS」の香水パッケージのお話がとても印象に残りました。デザインを手掛けた際の発案段階のスケッチを拝見し、パッケージに込められた可愛らしいストーリーを感じることが出来ました。さらに、お話の中から、デザインをする際に周囲の方とのコミュニケーションが大切な要素になっているのかなと感じました。今回の貴重なお話を今後の制作に活かしていきたいです。




